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セキララU&I

【I】デイビッド・ボルウェルさん(妙高市 妙高高原地区)

第6回はイギリス・ポーツマスからIターンし、現在 妙高市にお住まいのデイビッド・ボルウェルさんです!




Iターン前


世界に出てみたいと思っていたとき
日本のALT募集を見付けて

——デイビッドさんは最初に来日されたのはいつ頃、どういうきっかけだったんですか?
ん〜……、12年くらい前かな。ALT(外国語指導助手)で来ました。《ここで犬のジャック【左写真】が乱入》 Jack, sit down! sit down. Good boy.

——デイビッドさん、日本語がすごくお上手ですけど、ジャックくんには英語なんですね。
うん。Jackね〜、すっごく元気でしょ。お客さん大好きだから、抱きついちゃうの。大丈夫?

——大丈夫です(笑)。ALTのお仕事に就いたのは、どういう経緯で?
イギリスの大学の、たぶん掲示板にポスターか何かあったんだと思う。“日本に行きたい人、日本で英語を教えたい人(を募集)”っていうポスターがあって「これ、良いんじゃないの!?」と思って申し込んで。ずっと日本には興味があったから。

——日本の何に興味があったんですか?
何だろうね〜!?(笑) もう、ずっと前のことだから……その時はたぶん、映画とかアニメ?

——じゃあ、イギリスのテレビや雑誌などから日本の情報を見聞きして、「面白そうだな」という感じですか。特別、何かに思い入れがあったわけではなく。
そうそうそう。その時はまだ日本には来たことが無かったから、映画とアニメのことくらいしか知らなかったんだけど。日本がどういう国か、全然知らなかったし。

——日本の古い歴史とか伝統とかは……
そういうのは全然、全然(笑)。今は日本の祭りとか、大好きだけどね。

——来日前はまだ学生さんだったんですか。
大学院生でした。途中で日本に来て、そのまま大学院は辞めたけど。その頃、もう勉強は飽きて嫌になって(笑)、どこか、世界に出てみたかった。そんな時にちょうど日本のALTの仕事を見付けて、申し込んで、ロンドンで面接やテストをいろいろ受けて。

——応募から来日が決まるまで、どのくらいの期間が掛かったんですか?
けっこう掛かったね……6カ月くらいかな。



Iターンのとき


イギリスの配偶者ビザは超・面倒!!
じゃあ日本に帰ろう、って

——では、それからずっと日本にお住まいですか?
一度イギリスに帰ったんですね。妻と子供にもイギリスの生活を経験してほしかったから、子供が少し大きくなるのを待ってからイギリスに帰った。だからALTの仕事が終わったあとも6カ月くらいはこっちにいたんだけど……イギリスにいたのは、2年かな。それからまた日本に来たの。

——イギリスからまた日本に戻られたのはどうしてだったんですか?
う〜ん、イギリスが嫌になったから?(笑) まあ、仕事とビザの問題かな。イギリスにいれば僕は仕事はあるんだけど、妻の配偶者ビザを取るのがイギリスはものすごく難しいの。僕が日本でビザを取るのは全然問題無く簡単に取れるんだけど、イギリスで妻のビザを取ろうと思ったらめちゃくちゃお金が掛かるし、弁護士も必要だし、条件も厳しくて、とにかく大変! すごく面倒だったから……

——デイビッドさんが日本でビザを取る方がベターということだったんですね。
そうそう。妻がその時持ってたビザがもうじき切れるねっていう頃に、ちょうど良いタイミングでこっち(日本)での僕の仕事が見付かったから、じゃあ日本に帰ろう、って。

▼帰省旅行、ポーツマス港にて
——日本で暮らすと決めたとき、イギリスのご家族やお友達は反対されませんでした?
反対はしない、しない。もちろんみんな寂しいけど、反対はされなかったです。

——ご両親とか、日本に遊びにいらっしゃることはあるんですか?
母は結婚式のときに来たことがあるけど、その1回だけ。父は飛行機に乗ったことが無くて、もう77歳だから、父は絶対来ない(笑)。だから僕たちができるだけ毎年イギリスに帰ってます、年1回くらい。今年も帰るよ。



綺麗、が最初の印象だった
妙高は僕にとってとても良い場所

——日本に戻られてからこれまでは、デイビッドさんは何をなさってるんですか?
子供たちに英語を教える仕事。それと、大学ではずっとグラフィックデザインとwebデザインの勉強をしてたから、ときどき妙高市観光協会やこの近くのホテルのパンフレットを作ったり。【右画像】

——妙高市はずいぶん早くから、インバウンド関係に力を入れてますもんね。翻訳などもできる方が必要とされてますよね。
そう、だからそういうのも、いつも頼まれてますね。

——日本語はイギリスで学生だった頃から勉強されてたんですか?
ALTで日本に来る前は全然何も、ゼロ。日本に来てから、仕事の空いてる時間とか、夜とか、自分で勉強しました。だからALTをしてた頃、ちょっと悲しかったんだよね。毎日、日本語を勉強して覚えてたのに、イギリスに帰ったら絶対全然使わなくなって全部忘れちゃうって、「もったいないなぁ〜、これ、もったいないなぁ〜」ってずっと思ってたから、妻と結婚して全部OKになった(笑)。勉強した意味があった。

——「もったいない」という言葉と感情を理解して使えるあたり、すっかりデイビッドさんの中に日本の暮らしが染み込んでますね(笑)。妙高にいらっしゃったのは、まずALTの時に派遣先として決められていたからですよね。来てみて最初の印象はいかがでした?
「綺麗」が最初の印象だったと思いますね、田舎が好きだから。僕はイギリスのポーツマス出身で、ポーツマスは都会だけど、僕は市街地から少し離れた小さい町に住んでたから、妙高は大好き。都会はあんまり好きじゃないから、ここは僕にとってとても良い場所だと思う。でもポーツマスは雪は降らないから、冬はびっくりした、もう、ショック!(笑)

——上越エリアのなかでも妙高の中山間地は桁違いの量の雪が降りますから、雪の降らない土地から移住された方には大変ですよね。今まで車のスリップ事故とか無かったですか、もう慣れました?
もう今は慣れたよ、見飽きてるくらい慣れた(笑)。でも大変なだけで、今まで雪のトラブルとかは無いかな。

——イギリスから日本に来る前、その後こういう人生になると想像はしていましたか? それとも、もともと別の人生プランがあったとか。
全然、想像してなかったよ! 1年か2年、ALTをしたらイギリスに帰って終わりだと思ってた。でも先のことも全然プランしてなかった、僕、そういう人じゃないから(笑)。いつも、「今できること」を考えてやってる。



Iターン後


僕には助けてくれる妻がいるけど
困ってる外国人はけっこう多い

——こちらにお住まいになってみて、良かったことは何ですか?
僕にとって良かったことは……この辺は人が少ないでしょ。それは僕にとっては良いことだね。近所があまりいないから、人に迷惑を掛けることもないし、自由に生活ができてる。

——逆に、嫌なところはありますか?
最初はいろいろあったけど……今はもう慣れたから、全然無いですね。最初は、日本では常識みたいなこと? たとえば銀行で何かするのにも、イギリスならカードを渡すだけで良かったのに、日本では書類を書いてサインしてハンコも必要とか……いつも何か面倒臭いことをやらなきゃいけない。簡単なことをしたいだけなのに、それをするために大変なことがたくさんある、そういうのが最初は嫌だった。今はもう解ってるし、慣れたから何とも思わない。だけどALTで来る人はみんな、最初は自分の国と比べてそういう風に思ってると思うね。

——では、暮らす以前の、移住の段階で大変だったことは何かありませんか。
ああ、まあね、あったと思うけど、でも僕は日本人と結婚してるでしょ。だから、何かあったらすぐ全部、妻にお任せ!(笑) ALTの時は、学校の英語の先生が助けてくれた。すごくお世話になったよ。

——そうですか、それは良かったです。この辺りは東京などの大都市と比べれば、やはり外国の方はまだまだ少ないですし……たとえば、これは完全に想像での質問ですが、「役所で手続きをしたいけれども、外国人に対してのサポートが無くて困った」とか、そういう問題がもしかしたらあるのかなぁ、と。
もし一人だったら大変なことはいろいろあると思う。妻はここの地域の人と関わり合いが多い仕事をしていて、妻の職場にはよく外国の人が「これどうしたら良い」って困ったことを相談しに来るんだって。妙高はけっこうそういう人、いるんですよ。例えば「ゴミの分別ルールがわからない」とか。でもそれは訊く場所が違うでしょ。妻の本来の仕事ではないから、妻も困ってるみたい(笑)。

——なるほど。じゃあ、デイビッドさんご自身は困ることは少なくても、実際には困りごとを抱えている外国人の方がいらっしゃるというか、誰に相談したら良いかも分からないような状況の方も多いんですね。
けっこう多いと思う。たとえば病院。日本語が喋れない患者がいると……病院の先生も看護師も英語が喋れないんでしょ? 去年は僕、3回くらい病院から呼ばれて通訳しに行った。いろいろあるんですよ。



日本は外食が安いし美味しい
それに生活がすごく楽

——約10年、日本に、妙高にお住まいになってみて発見した魅力や、生活のなかでのお気に入りはありますか? たとえば季節とか、気候。景色とか。何でも結構です。
ああ、景色……。気候はイギリスとけっこう近い。でも景色は全然違うんだよね、この辺は山がいっぱいあるでしょ。ポーツマスは丘陵地みたいな低い山ばっかりだから、初めてここに来たとき妙高山を見て「うわ〜、すごいね!」ってなった。上越(市)や長野に行くと、妙高山や北アルプスが見えるでしょ。いつ見ても、毎回、今でも感動する。もういろんなことに慣れて“普通”になっちゃってるけど、美しい景色は慣れることはないから、すごいね〜。

——では、妙高山や妙高周辺の景色がお気に入り。
そう、すごくすごく良いところだと思う。僕はもともと美術や写真、グラフィックを勉強してたから、景色が大好きなんですね。春なら高田の花見が好きだし、登山やハイキングもするから、笹ヶ峰も好き。あと、祭りがいっぱいあるよね。イギリスは人がたくさん集まる祭りは全然無いんですね。

▲上越市・高田公園の夜桜。毎年「百万人観桜会」が開催される

▲笹ヶ峰ダム乙見湖

——イギリスでは、イースターやハロウィンが「お祭り」ではないんですか?
イースターはただの祝日。みんな仕事を休んで、子供がチョコを食べるだけで、楽しいことは何もやらない。ハロウィンも、僕が子供の頃はおばけの仮装とかパーティもしたけど、最近の子はもう、全然しないんじゃないかなぁ。イギリスもけっこう変わったんだよね。クリスマスだけは家族みんなで美味しいものを食べたりして、それはすっごく盛り上がってめちゃくちゃ楽しいよ。でも他は……つまらない(笑)。

——そうなんですか。他には何かありますか。
日本の良いところね、そうそう、他には料理。外で美味しいものがたくさん食べられるよね。ラーメンとか寿司とか、美味しくて安いでしょ。イギリスは外で食べるとものすごく高いの。美味しいお店はいろいろあるんだけど、特別なご馳走じゃなくても、家族5人だと10,000円以上……14,000円くらい掛かっちゃう。家で作って食べたほうがマシ!(笑) でも日本だと、回転寿司なら僕たち家族3人で出掛けても2,000円以下で、おなかいっぱい食べられるよね。ラーメンなら毎週でも食べに行けるけど、イギリスで毎週外食したらとんでもないことになっちゃう。

——イギリス、ヨーロッパは物が高いという話はよく聞きますけど、そんなに違うんですね。
スーパーの買い物とかもそう。イギリスは物価が信じられないくらい高くて、給料は金額で言えばイギリスのほうが高いけど、それよりももっと物の値段の方が高くて、みんな全然貯金ができないの。日本のほうが暮らしはずっと楽ですね。イギリスは生活ができなくて借金したり、食料も買えなくてチャリティで貰わなきゃならないような、そういう貧しい層がどんどん増えてるんだよ。ガスや電気も、すごい勢いで値上がりしてる。



Iターンのすゝめ


イギリスはイギリスのやりかた
日本は日本のやりかたがある

——デイビッドさんは国をまたぐ大移住をされて、文化も習慣も根っこから異なる場所へやって来られたわけですが、移住に必要なものって何だと思いますか?
まず、お金と仕事。仕事をしても最初の1カ月は給料は貰えないでしょ、まずはお金と仕事が必要。あとは……国にもよるけど、例えば僕の弟はスペインに移住したんです。イギリスとスペインも違うけど、日本と比べると、習慣とかそんなに違わない。でも日本は正反対、文化も習慣も全然違うでしょ。だから自分の attitude、心構えは大事ですね。ALTで日本に来るほとんどの人は……さっきの銀行の話みたいに、「なんで日本はこういう風にやらないの」「どうして僕の国と違うの」と怒りたくなることがあると思うんですね。それはダメだと思うね。ここは違う国、しょうがないこと。自分の性格や自分のやり方を変えなきゃならない。

——考え方を柔軟にしておかなきゃいけないと。
そう。イギリスはイギリスのやりかた、日本は日本のやりかたがある。慣れるように努力することが必要。そうじゃないとずっと腹が立って、嫌になると思うんだよね。2度目に来るときにはもう慣れてたから、全然問題無かったけど、僕も最初はイライラすることはあった。でも僕ひとりが怒って変わることじゃないし、そしたら怒る必要が無いよね。

▲画像クリックでデイビッドさんのwebサイトが開きます(別窓)

——さきほど、将来のことは基本的に考えないと仰ってましたが……これから先の夢や目標は、何かありますか?
僕の夢?(笑) これからのことで楽しみなのは、グラフィックデザインのオフィスを準備してることかな。あと、いつか自分の学校を作りたい。英語と、プログラミングを教えたいんですね。イギリスとアメリカの子供たちは、小学校からプログラミング、コーディングを習ってるから。

——コンピュータ言語は英語ですもんね。日本人はどうしても日本語でものを考えてしまいますけど、プログラミングは英語脳でできる人が有利という話を聞いたことがあります。デイビッドさんが教える英語とプログラミングの学校は、これからの子供たちにとってとてもプラスになりそうな気がしますね。
そう、とても大切なこと。だから僕はもう息子にはときどき教えてるんだけど、この辺はそういう学校はまだ無いと思うのね。東京でちょっと流行ってる……って、たぶんニュースで見たような気がするけど、この辺にはまだ無いから、英語とプログラミングを教えたい。それに英語も、ALTから10年くらい教える仕事をしてきたけど、(入試など)試験のために教える英語は変えていきたいんだよね。……先のことは、どうなるかわかんないけどね(笑)。

——外国から移住された方の目線で、妙高・上越地域はどんなところなのか。国内移住の方とはまた違う角度のお話しをたくさん聞かせていただけました。今日はどうもありがとうございました。
どういたしまして〜。Bye!


2016年2月29日 掲載(2016年2月4日 取材)【な】


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