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風と共に来たる…

第11回 冬のなかにも春を待つ

冬少雪の新年ですが、ぱっと晴れる日は少なく、どんよりしています。春夏の気持ちの良い季節に口説いて結婚、Uターンや転勤でこちらに移住すると、冬の天候でウツになる方が多いと聞きました。「まさか?」と思ったけれど、やはり環境の急激な変化は、心の健康に影響を及ぼすのでしょう。

が北欧に住みはじめたのは7月だったので、ずっと明るくて眠れない日々が続きました。夜10時でも、屋外で新聞を読める明るさです。窓に遮光カーテンを取り付けてしのぎました。初めての秋、10月には日照時間がぐんぐん短くなり、12月はマイナス20度の寒さで夏と真逆の日々。同時期に大阪から留学してきていた友人は暗い毎日にうんざり、ややウツの気分でしたが、越後育ちの私はまったく平気でした。むしろ、澄みきった空気と一面の高い星空、オーロラを探して夜空を眺めるのが楽しかった。新潟の湿雪と違ってパウダースノーだから歩きやすいし、毎日のように大型犬と散歩していました。夕方から暗いものの、森と湖は一面の銀世界。12月に入ると地方都市でも中央広場にクリスマスのイルミネーションがしっとりと輝きはじめます。ブリューゲルの絵画に出てくるような静かな冬景色でした。

かに1990年代は、北欧諸国の自殺率は高かったのです。冬の寒さと暗さ、高い失業率とアルコール依存症など要因は複雑で、若者も多かった様です。寒い国なので、お酒はウォッカのような強い蒸留酒や、安いビール。彼らは「ワインで食事」とか「日本酒とおつまみ」のような食の組み合わせが無くて、アルコールをあおる様に飲むのです。健康に良いわけがないですね。国を挙げての改善策や教育環境などが奏功して、現在の自殺率は下がりました。

の一方で、北欧の室内環境やインテリアデザインのクオリティは高いと思います。冬が長くて退屈だから、インテリアにエネルギーを集中すると言われています。もともと北欧の住宅は白熱電球やキャンドルライトの赤っぽい光が中心でしたが、公共的な建物では、太陽光と同じ成分の照明器具を1日8時間以上使用することになったと聞きました。でも、休日に近くの森でクロスカントリースキー、氷の張った湖でワカサギ釣り、DIYで家の模様替えなど、アウトドアでもそれぞれの時間を自由に使っていたと思います。

から、私は今、冬の季節を大切にしたい。雪が降る前に蒔いた種がゆっくり育ち、雪の下で芽生えて、春に収穫。根菜や青菜類の味わいは雪のおかげで増すといいます。大変ではありますが、除雪作業も『冬場の運動不足解消』と思えるうちはそれで良いのです。今年も大寒の1月21日~2月3日まで、高田日蓮宗寺院を中心とする「寒修行団」に参加して、2週間歩くことになりました。宗教を超えて、冬の雁木を歩きながら、互いの安全と無事を祈り確認し合う。人間も生き物なので、身体と精神のバランスに規則的なリズムがあるのでしょうね。時には刺激が必要ですが、自分の身体と環境のリズムがうまく調和することが良いのかも。ほんとは春まで冬眠したい。

  • ▲零下17度! 北欧では外気の温度計が多く見られます。室内は20度くらい。窓は3重です

  • ▲昨年の上越市牧区の冬のイルミネーション。雪があるからできることも多いのです

  • ▲昔から、長い冬は内職の日々で、高田のバテンレースは手先の器用な雪国の女性たちが支えていました

(2016年1月29日 掲載)


関 由有子(せき ゆうこ)
上越市在住。高田にてスロウライフ(スロウワーク?)を実践しつつ、家づくり・街づくりに取り組む日々。

せきゆうこ設計室 木の建築と家具
一級建築士、住環境福祉コーディネーター、「越後高田 あわゆき組」代表
NPO法人「街なか映画館再生委員会」・「街なみFocus」・「高田瞽女の文化を保存・発信する会」所属

 

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