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風と共に来たる…

第10回 続・現実となった空き家問題(その2)

田のまちなかには着実に空き家が増えていますが、実は、不動産屋さんの店頭や新聞広告に登場する以前に相続問題があります。ひとりまたは一家族で複数の家屋を引き受けざるを得ないケースも多いのです。長期的に人口減少傾向なので、これは当然なのでしょう。いわゆる「別宅」をたくさん持っていても、活かして使わなければ大きなお荷物で、資産家と言っても、持っているだけなら負の資産になってしまう!

 高田に戻ってから「歴史のある雁木町家を埃だらけにしたくない。風を通して、素晴らしい室内空間を見てほしい」そう考えて、町家を事務所として借りていました。残念ながら初めの1軒は解体撤去されましたが、立派な吹き抜けのある2軒目の町家は登録文化財にしていただき、雪国の町家の素敵な実例として公開してきました。

 しかし、大雪になると自宅と事務所の除雪・雪下ろしが重なり、大変でした。さらに高田世界館の管理もあったので、仕事をする暇もない状態。そこで、町家を残しながら住みたいという若者を見つけて、素敵な町家をバトンタッチしてもらいました。私は自宅2階を改修して、仕事場を移転。職住一体になったので、相変わらず、夜型生活が続いています。

 その素敵な町家は、不動産の価値を保ちながら継承されたわけです。時々様子を見に行きますが、老朽化していた部分も少しずつ修繕されて、きれいになってきました。うまくリレーできたようです。

のように家も土地も丁寧に維持することで寿命を延ばせば、不動産価値も保全されます。昔は同一町内(町家)や集落内(農家)で、人生ゲームのように、少しずつ広くて立派な家に移り住んでいくことが当たり前だったようです。血縁や地縁だけで継承できなくなったら、新たな住人が入ることで、コミュニティは生き残っていけます。若い世代が、自力で修理しながら暮らし始めているケースも増えています。

 ひとりではくじけましたが、価値ある町家を手直しして活用する道はないのか。同じ思いの有志が集まり、数軒の空き家を見学して、その家と地域に相応しい活用方法を考えているところです。昭和初期の和風建築に、微妙なニュアンスで洋風意匠が混入して、なんとも言えない素敵な町家もありました。賛同する人々と資金を集めて、なんとか活かしたいと知恵を絞っています。賛同される方、いらっしゃいませんか? 仕事を作って、雇用に繋がれば最高です。

冬は11月後半から12月上旬まで、かなり温暖な気候でした。曇りや雨の日が多いし、台風みたいな強風が吹き荒れましたが、気温は高め。雪も霰も遅い冬です。それでも、やはり新年は始まります。

 昔の子どもたちは、真夜中まで起きていることはなかった。だから「深夜12時になって明日が始まるときは、いったい何が起こるの?」これは、たいそう大きな疑問でした。特に大晦日は「明日」でなく、「来年」に変わる瞬間だから、もっと大きな何かが起こると思っていたかもしれません。

 御年とりのご馳走を食べて、眠い目をこすりながら「紅白歌合戦」も終わると、「ゆく年くる年」が始まり、ゴォーーンという除夜の鐘を聴きながら、その瞬間を待っていたのでしょう。でも、時計の針が重なって、また静かに離れていくだけ。特に天地がひっくり返ることもありませんでした。

が付いたら、いつの間にか不思議も疑問も消え失せて、深夜放送のある夜型生活になっていました。きっと、『変わり目』って、その渦中にいるときにははっきりと気づかないものかもしれません。

  • ▲お風呂の天井は洒落た換気口

  • ▲昭和を生き抜いた土蔵もあります

  • ▲ちょっとシュールな印象の旧製材場

(2015年12月28日 掲載)


関 由有子(せき ゆうこ)
上越市在住。高田にてスロウライフ(スロウワーク?)を実践しつつ、家づくり・街づくりに取り組む日々。

せきゆうこ設計室 木の建築と家具
一級建築士、住環境福祉コーディネーター、「越後高田 あわゆき組」代表
NPO法人「街なか映画館再生委員会」・「街なみFocus」・「高田瞽女の文化を保存・発信する会」所属

 

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