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風と共に来たる…

第8回 11月のアトモスフェア、瞽女ミュージアム開館

Novemberノーヴェンバー。11月って、午後4時を過ぎるとあっという間に暗くなるし、寒々しくて、地味な月。12月になれば年の瀬を控えて気忙しくなり、クリスマス騒ぎで、雪が降ればちょっと明るくなります。バブル期ほどではないにしても、LED照明のおかげでイルミネーションもにぎやかです。雪景色のなかだと、くっきりしたLED光源でもにじむようなしっとりした光り方になり、相対湿度が高くなるせいかフェードが掛かったような柔らかい味わいで、昔っぽい!

 でもその前の11月には、様々なことの『仕舞い』が待ち受けています。雪国ですから、冬支度のリミット。庭木の剪定と雪囲い、冬タイヤ交換、暖房器具の点検(これは10月かも?)、冬の防水コートとゴム長靴、スノーダンプを出して、消雪パイプの点検など。昔気質だった父親は、「雪が降ってからでは遅い!」と言っておりました。

11月の末には、突然の雷とともに、最初のアラレが音を立てて降ってきます。そうすると、初雪も近い。大雪はやはり大変だけど、小雪くらいなら待ち遠しいような、じれったい気分。

 この独特のアトモスフェア=空気感は新潟独特のものでしょう。日本海は薄暗い灰青色に変わり、白い波頭が目立ちます。サーファーはもういない。時として、夕暮れ日没ショウが見られる幸福感は説明のしようがないのです。きっと静岡や千葉県の11月の風景とは、ずいぶん違うでしょうね。それに、太陽高度が低くなるので、横からの光線でモノの立体感や陰翳が印象的になります。強くない光に撫でられるようにして、テクスチャー(表面の質感)や手触りが感じられるようです。特に、細長い町家のお座敷や縁側には、明るくないけれど、しっとりと溶けるような空気感が漂います。

▲杉本家の親方瞽女は、幼時に見た夕陽の赤い色をいつまでも忘れずに覚えていらっしゃいました。その深い深紅の色合いは、斎藤画伯の油絵にもつながっています。

んな懐かしい町家をリノベーションして、高田の雁木の町に『瞽女ミュージアム高田』が11月3日(火・祝)にオープンします。高田瞽女の印象的な絵を描かれた斎藤真一さんの作品や、瞽女さんの暮らしを偲ぶ資料などをご覧いただくことができます。昭和初期のシッカリと建てられた町家『麻屋髙野』は国の登録文化財でもあり、3階分の吹抜けと明かり窓、渡り廊下と手摺り、黒い梁組と漆喰の白さの対比、間接光の柔らかさ、黒光りする床板など、懐かしいふるさとに通じるかもしれません。少し昔の暮らしと、雪国の雁木と瞽女さん。ぜひお越しください。詳細はwww.takadagoze.info

  • ▲瞽女ミュージアム開館記念「越後瞽女日記展」のご案内。画像クリックで拡大します

  • ▲「越後瞽女日記展」のご案内、裏面

(2015年10月29日 掲載)


関 由有子(せき ゆうこ)
上越市在住。高田にてスロウライフ(スロウワーク?)を実践しつつ、家づくり・街づくりに取り組む日々。

せきゆうこ設計室 木の建築と家具
一級建築士、住環境福祉コーディネーター、「越後高田 あわゆき組」代表
NPO法人「街なか映画館再生委員会」・「街なみFocus」・「高田瞽女の文化を保存・発信する会」所属

 

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