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大切なものを受け継ぎながら
上越地域の未来をつくるひとびと
“そうだ、あのひとたちに会いに行こう”

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糸魚川けんか祭り〜寺町編〜

糸魚川・寺町地区の祭り男たち

「糸魚川けんか祭り」の呼び名で県内外に知られるこの祭りは毎年4月10日、勇壮な喧嘩神輿から始まり、静謐な舞楽の奉納で幕を閉じる。「天津神社春大祭」が正式名だ。見所は神輿のみならず、奉納の舞楽も国の重要無形民俗文化財に指定されている稀有なもの。あるとき、「神輿の“動”から舞楽の“静”へと移ろう様が実に良いのだ」と、熱く語ってくれた寺町の男性がいた。この祭りを境に、糸魚川には春が訪れるのだという。

時代や人の変化とともに祭りが途絶えてしまう地域も散見されるこのご時世、今も伝統的な姿を残し大いに賑わう糸魚川けんか祭りは、どこにその熱源があるのだろうと、ふと興味が湧いた。自治体等が発信している紹介記事には、祭り当日の過程や神輿を担ぐ寺町区・押上区の説明はあるが、祭りそのものの起源や歴史についての言及はほとんど見当たらない。地域性・精神性が生き続けている理由は、一体どこにあるのだろう……。

先述の男性の伝手を頼って寺町のけんか祭り保存会を訪ね、「糸魚川けんか祭りはなぜこんなにも大切にされているのですか」と、ストレートに訊いてみた。生まれも育ちも糸魚川市寺町で、普段は家業のクリーニング店を営んでいるという中川さん(49歳)は「小さい頃から親父や近所の人たちが祭りに出掛けていく姿を見て育って『自分も神輿を担ぎたい』と、自然に憧れの気持ちが育つんだと思います。自分は、そうでしたね」と答えてくれた。毎年、新年が明けると自然と近所同士の会話も「今年の鶏爺(とりじ)は誰がやる」というような話題が増えるのだそうだ。神様の先導役である“鶏爺”は、大厄(数42歳)を過ぎた男性のみが任される、一生に一度きりの重要な役。昨年は中川さんが務めた。

寺町区の氏子総代・野本さん(67歳)は「中川くんは私よりも、よほど熱心に祭りや神社のことを勉強している」と目を細める。しかし寺町には、鶏爺の面【写真】などの古い道具類はあっても、文章化された記録はほとんど残されていないのだという。数少ない資料【写真】もモノが変わると微妙に表現の異なる部分があり、100年から遡る過去の話となると、何が正解という証拠も証言者も無い。そのため「後に残すために、何かしらの形にまとめた方が良いとは思うんですが、難しい」と中川さん。野本さんも「そもそも、けんか祭りは寺町と押上だけの祭りではないんです。天津神社の氏子地区は7区あり、それぞれの地区にそれぞれの伝承やしきたりがあって、容易に整理のつくものじゃない」。

起源や歴史が表に出てこない理由に納得しつつ話に耳を傾けると、しかし、一番古い“記録”は室町時代にまで遡るらしいこと、その昔、糸魚川沖で遭難していた“神様”を救ったという漁師兄弟の甚兵衛・甚之丞が寺町の“現人神”として祀られるようになったという逸話、そしてなんと現在も甚兵衛・甚之丞一家はそれぞれ寺町に家系を残していること(!)、毎年、寺町の神輿には甚兵衛の末裔が中に乗っていること(!!)——などなど、実に興味深い話が次々と出てきた。

「私は全く勉強が足りていないけれども」と謙遜しながらも、野本さんは町内の小学校の招きで幾度か講演のため出向いているという。寺町区は糸魚川市の中心地ということもあり、後継者の数に不安は無いというが、かと言って日本全体の少子化からここだけが免れるわけではない。長い目でみて、小学校の講演会などで伝える機会や場があるということは、地元住民同士だけの昔ながらの承継スタイルよりも少しずつ間口を広くする取り組みになって行くのだろう。中川さんは「転勤や移住で新しくここに来た人、これから来る人にもけんか祭りに関わってもらえたら」と言う。子供たちが興味や関わりを持てば、自然な形でその家族にも「見に行こうか」という動機が生まれる。

インタビューの最後に、前総代の川原さん(76歳)がなんとも心温まる話を教えてくれた。——「その小学校では4年次に、海水から塩を作る体験学習があるんです。祭りでは昔から、水分・塩分補給に水と梅干しが振る舞われる習慣があるんですが、その小学生たちが、自分たちが作った塩で漬けた梅干しを『皆さんで食べてください』と持って来てくれるんですよ。それがかれこれ、この10年ほど続いてます」。

祭りを守っているのは、神輿を担ぐ男衆(おとこしょ)だけではない。水一杯、梅干し一粒の用意からあらゆる裏方仕事を支える女衆(おんなしょ)や年頃前の子供たちの協力があって、今日まで続いてきた祭りだ。自分たちが漬けた梅を食べ、威勢良く神輿を担ぐ男たちの背中を見つめる寺町の小学生たちは、今年もまた「いつか自分も」と目を輝かすのだろう。

  • 装束や面など、現在使っていない古いものもすべて木箱に納められ大切に保管されている

    装束や面など、現在使っていない古いものもすべて木箱に納められ大切に保管されている

  • 現在、祭りで使用されている鶏爺面は平成に入って制作されたもので、その前まではこれが使われていた。慶応3年(1867年)制作

    現在、祭りで使用されている鶏爺面は平成に入って制作されたもので、その前まではこれが使われていた。慶応3年(1867年)制作

  • さらに古い享保2年(1717年)制作の鶏爺面。寺町にある祭り関連品のなかで最古の品で、通常、一般公開されていない特別な品だ

    さらに古い享保2年(1717年)制作の鶏爺面。寺町にある祭り関連品のなかで最古の品で、通常、一般公開されていない特別な品だ

  • 数少ない紙資料の一部(写し)

    数少ない紙資料の一部(写し)

  • 鶏爺は神様の先導役であり、神の遣いの者。鶏爺を演じる中川さんの左には装束をまとった宮総代・野本さんの姿が(写真:中川さん提供)

    鶏爺は神様の先導役であり、神の遣いの者。鶏爺を演じる中川さんの左には装束をまとった宮総代・野本さんの姿が(写真:中川さん提供)

  • ぶつかりあう御輿と、天津神社境内を埋め尽くす人・人・人の波(写真:中川さん提供)

    ぶつかりあう御輿と、天津神社境内を埋め尽くす人・人・人の波(写真:中川さん提供)

  • 祭りが終わると鶏爺をはじめ獅子・露払い・白丁・白袴などすべての装束はまた木箱に納められ、次の春を待つ

    祭りが終わると鶏爺をはじめ獅子・露払い・白丁・白袴などすべての装束はまた木箱に納められ、次の春を待つ

  • 今年もいよいよけんか祭り50日前。2月18日(日)に開かれた総会にて、今年の鶏爺が決定した

    今年もいよいよけんか祭り50日前。2月18日(日)に開かれた総会にて、今年の鶏爺が決定した

  • 近隣小学校から届いた、講演へのお礼の手紙。祭りの伝承はさまざまな形で取り組まれている

    近隣小学校から届いた、講演へのお礼の手紙。祭りの伝承はさまざまな形で取り組まれている

糸魚川・寺町地区の祭り男たち 左:川原 正さん(前総代) 中:野本 一男さん(寺町区 現氏子総代) 右:中川 忍さん
DATA
名 称
寺町区けんか祭り保存会
所在地
新潟県糸魚川市寺町
TEL
025-552-0064(寺町会館)
備 考
祭りに関する問合せは糸魚川市役所文化振興課(代表025-552-1511)へ
※下の地図は祭りの行われる天津神社を示しています。
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