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上越在住・せきゆうこ(建築家・あわゆき組代表、etc)が綴る、おりおりの風景、雪国の裏話まで

風と共に来たる…

最終回 風と共にめぐる

風と共に来たる…|最終回 風と共にめぐる

「雪少ないね~。西日本は大雪なのに!」と言っているうちに立春を過ぎて、お雛様の時季になりました。こんなに少雪シーズンが続くと気持ちが緩んでしまいそうです。樹木の雪囲いも消雪パイプの点検も、やや手抜きになってきました。どかっと降らないまでも、豪雪地であることを忘れないようにせねば!

風と共に来たる… あどば 上越 高田 関由有子 旧今井染物屋 内裏雛 小さな香合 内裏雛の小さな香合です。手作りキャンドルにハート形多肉植物はクラフトショップで購入しました。でもバックのテキスタイルはフィンランド土産。台座と小抽斗は自作。アレンジ次第の雛飾りです。

昨年秋以降、上越市大町5丁目「旧今井染物屋」で歴史資産活用促進を目指して、週末公開とワークショップなどを行なってきました。障子紙の張り替えと建具の開閉調整・隙間ふさぎ、古い蒸籠(せいろ)リユースの椅子作り、手縫いの小座布団カバー作りを行ない、雁木通りに面したミセ(6畳の小さな部屋)はテーブルを囲んで落ち着ける空間になりました。

暖房の利く小部屋で、毎月、絵本の読みかたりを開催しています。また、3月4日(土)には縁側の柿渋塗りワークショップも行ないます。10畳の座敷にも電気こたつとファンヒーターを設置して、なんとなく家らしくなりました。床の間に生花を飾ると、一段と引き立ちます。

建物は江戸時代末頃から150年間、現役の職住一体の町家として使い続けてきた過程で、様々な増改築と模様替えがありました。しかし、ダイナミックな中央部チャノマの吹抜けの、明かり窓から差し込む光に繊細な小屋組が美しく浮かびあがる様はずっと保たれてきました。「室内がこんな風になっているなんて、スゴイ!」と、遠方からのお客様は皆さんとても感動されます。ここで呼吸法を主体にしたヨガ講座を行なったとき、寒かったけれど、とても癒されました。二胡とチェロのDuoコンサートには、吹雪のなかを多くの方にお越しいただきました。

風と共に来たる… あどば 上越 高田 関由有子 旧今井染物屋 吹き抜け 町家 染物屋の吹き抜けに響く感動の声多数

古い建物は、誰かが使うことにより光が差し込み、水が流れ、澱んだ空気が動いて、息を吹き返します。生命体のようなものだと思います。暖を取り、明かりを灯し、積った塵と埃をぬぐい取り、止まっていた時計を修理するように、潤滑油をさしてあげましょう。屋根と床下、開口部、水回りの改修は、古家リノベーションの要なので、原因を突き止めてから、正しい治療を行ないましょう。雨漏りや湿気対策など応急処置も必要ですが、無理して傷口を広げないように、手順と安全性をよく考えてください。高齢者の治療ケアと同じで、何でも外科手術というわけにはいきません。

フィリップスさんの町家は、週末居住とDIY修理で、暮らしの気配を感じられる様に変わってきました。先日、春日神社の神主さんに「お祓い」をしていただきました。神棚にお札を納めて祝詞奏上、町家内の四方を北東隅の鬼門から時計回りに、切幣(きりぬさ)を撒き、神酒と塩と水で浄めていきます。土蔵と竈(かまど)、池跡の水源には、それぞれの神がいらっしゃいます。八百万の神々を鎮め、再び神棚に榊を献上すると、まさに神がかり的なタイミングで曇り空が晴れ渡り、高窓から光が射し込みました。

風と共に来たる… あどば 上越 高田 関由有子 フィリップス邸 町家 お祓い 神事 フィリップスさんの町家で神事。
風と共に来たる… あどば 上越 高田 関由有子 フィリップス邸 町家 お祓い 神事 土蔵もお祓いで浄められます。
風と共に来たる… あどば 上越 高田 関由有子 フィリップス邸 町家 お祓い 神事 最後には神棚に光が届きました。昭和16年築の素敵な町家に、生命が吹き込まれる瞬間。末永く続くことをともに祈ります。

神棚の場所もよく考えられています。清々しい気持ちになり、古い空き家が住処(すみか)に変貌していきます。建築ではなく神事ですが、建物と心、両方のヨドミを取り除き、生気を取り戻す儀礼を体験することができました。

まもなく春になれば、雪囲いも外されて、染物屋も暖かくなってきます。冬よりも過ごしやすいので、「暖かくなったら、手作り朝市やミニコンサートをしてみたい!」という若者の声が届き始めました。彼らいわく「〇〇プラザや公民館のように型にはまった貸スペースより、何か面白い発想と出会いがありそうな気がする」。  

「染物屋という“職人仕事”からつながる活用の道がありそうだ」  
「手仕事の工房にできないか?」  
「街中でも駐車場が広くて、雁木の続く町内の雰囲気が温かい」
 
——そんな声が次々に沸き上がり、たとえ小さくても「形」になっていけば、この建物にも、雁木の界隈にも、新しい風がめぐってくることでしょう。

最近は文化財に登録される場合でも「活用による維持存続の方向性」を問われるようになってきました。観光目当ての短期目標でなく、そこで永く在り続けるための知恵と工夫が問われています。モノやハコだけでは、その価値は次の世代に伝わりません。自ら試行錯誤して手応えを摑み、他者と共有〈シェア〉していく過程でぐるぐると回りだします。24回続けたこのシリーズは、今回で最後ですが、小さな風から大きなうねりに育つことを期待しています。

雁木町家 旧今井染物屋 WEBサイト
Facebookページ「旧今井染物屋|雁木のまち再生」

(2017年2月28日 掲載)

プロフィール せきゆうこ

関 由有子(せき ゆうこ)

上越市在住。高田にてスロウライフ(スロウワーク?)を実践しつつ、家づくり・街づくりに取り組む日々。

せきゆうこ設計室 木の建築と家具
一級建築士、住環境福祉コーディネーター
「越後高田 あわゆき組」代表
NPO法人「街なか映画館再生委員会」・「街なみFocus」・「高田瞽女の文化を保存・発信する会」所属

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